ラジオ日記(2005-2023)

北緯43度での放送受信記録

稚内での受信を振り返って

先週の今頃と言うと、稚内で一生懸命ラジオを聞いていました。 その時の状況はこのBlogでも報告しましたが、全体を振り返るという意味で簡単にまとめて見たいと思います。 尚、受信機はSony ICF-SW77。全て内蔵バーアンテナでの受信です。 ■アラスカ・北米方面 1415の時点で850kHzのKICYが受信できていました。稚内の日没2時間前です。これには少々驚きました。その後段々と入感局が増えてきて、15時を過ぎたあたりでは強力に受信できる局もいくつかありました。そして日没間近の16時頃からピークとなり、約30波近い周波数で入感が確認できました。特に900-1300kHz帯のミドルレンジの状態が良かった様に感じます。 この状態は18時過ぎまで続き、バンド内の至る所でビート音が聞こえるという感じでした。入感地域はアラスカはもちろんですが、シアトルやバンクーバー等のやや西海岸北部の方が良く入っていたのではないかと思います。 一方、興味深かったのはX-Bandの状態で、ピークとなった1600-1800でもほとんど入感が確認できませんでした。ところが、ミドルレンジの状態が少し下降気味となってきた19時頃から状態が上昇し、X-Bandの10kHzセパレーションほとんどが英語で埋まってしまいました。しかし、出力の関係もあるとは思うのですが、信号はさほど強くなく、また早めのフェーディングも伴っていました。おそらく伝搬経路も含め何だかの変化があったのではないかと思います。この状態は20時頃まで続きました。 結局、強力な局などは22時過ぎまで受信できていました。1300や1600、1040、1100kHzは連続7時間近く受信できていたことになります。 また、アラスカの各局も依然として受信できており、Nomeの2局は午前5時過ぎまで大変強力な信号を届けてくれました。とにかく、850kHzのKICYの強さは普通ではありませんでした。おそらく、ビバレージでも張れば冬場の日中の受信も可能ではないかと思います。 ■中近東方面 もう一つ興味があったのは中近東方面がどの様な感じで受信できるかでした。札幌での受信を元に午前3時半頃から聞いてみました。 以前から深夜などの受信では韓国や中国等が強くなるだろうと思っていました。実際、海上伝搬が多くなる韓国東海岸の局は結構強力で、この点は札幌と比較すると不利な要素なのかも知れないのですが、それでも丹念に聞くとこれらの局の下からコーランなどが聞こえてきました。ラジオ単体での受信という事を考えるとやはり有利なロケーションではないかと思います。 特に札幌ではどうにも受信できなかった531kHzのIRIBがあっさり受信できてしまうとロケーションの有利さを痛感してしまいました。また、783kHzのBSKSAがあれほどクリアというのびっくりです。何と言っても「ラジオ単体」なのですから…札幌では仮に同じ条件で受信できたとしてもあそこまでクリアではないと思います。 今回はヨーロッパは確認できませんでしたが(1548のモルドバは別格です。強すぎです)、この方面も丹念に聞くときっと何かが受信できると思います。 これ以外にもフィリピンが受信できたりで、ラジオ単体だけでこれだけ楽しめるというのは、やはり恵まれたロケーション、高緯度受信の恩恵を受けているのではないでしょうか? ぜひとも今度はPerseusが使える環境で聞いてみたいものです。